一般菓子の生産再開に踏み切ったのは、山崎製パンの技術支援で導入した米国の厳格な食品安全基準「AIB食品安全システム」の監査に合格したため。洋菓子の期限切れ食材問題の影響で流通大手が軒並み一般菓子の販売を停止し、事実上の生産休止に追い込まれた経緯がある。桜井社長は会見で「自信をもって提供できる。新しい不二家に生まれ変わる日だ」と強調した。
生産を再開したのは神奈川県の平塚工場、秦野工場と、静岡県の富士裾野工場。これを受けて、一般菓子は、山崎グループのコンビニ「デイリーヤマザキ」などで販売が再開される見通し。出荷の前に一定の在庫を確保する必要があり、実際に販売が可能となるのは、三月下旬になるもようだ。ただ、大手スーパーやコンビニの多くは「消費者が安心して受け入れるかどうかが最大の関門。動向を注視したい」としており、販売再開の動きが各社にすぐに広がるかどうかは、まだ見通しが立たない。
洋菓子については、AIBの監査を受けたうえで、二十三日から順次、販売店を再開していく考え。赤字続きで不振だった洋菓子事業の立て直しと、新生不二家のアピールに向けて、桜井社長は販売店にベーカリーを入れ、洋菓子と同時に山崎の支援でパンも扱う構想を明らかにした。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20070302/mng_____kei_____000.shtml