同グループは、サプリメントの効果に関する臨床試験から68件の報告を無作為に抽出。ビタミンA、同C、同Eとベータカロテン、セレンの計五つの抗酸化物質を含む様々なサプリメントについて、摂取の有無と死亡率との関係を調べた。
その結果、ビタミンA、同E、ベータカロテンを摂取していた人は、摂取していない人と比べ死亡率が約5%高かった。一方、ビタミンCとセレンについては死亡率との因果関係はみられなかったという。抗酸化物質は野菜や果物など天然食品にも含まれるが、調査は人工合成されたサプリメントの効果のみを対象にした。被験者は計約23万2600人。
抗酸化物質は体内で活性酸素の働きを抑え、動脈硬化など生活習慣病の予防に効果があるとされる。今回の調査で、因果関係が明確になったわけではない。ただ、同グループは「活性酸素の減少が生体防御の仕組みに影響を与えたのではないか」などとみている。
同グループによると、抗酸化物質入りのサプリメントを使っている人は欧州と北米だけで8000万〜1億6000万人に上る。