ステンレス製の車止めなど金属の盗難被害が県内でも急増している。昨年1年間で約80件だったが、今年は2月下旬までに120件を超えた。栗橋町では、公園の滑り台が2カ所で盗まれるケースも発生。県警は転売目的の犯行とみて警戒を強める。公園管理者らは、相次ぐ犯行を食い止める抜本的な対策が見つからず、頭を抱えている。
◇今年 すでに昨年超す
県警捜査3課によると、ステンレス製の車止めが盗まれる被害は昨年11月ごろから増え始めた。12月には朝霞市や所沢市の公園で計32本、1月以降も幸手市の団地で80本、行田市の公園でも13本が盗まれた。
昨年の金属盗難は大半が銅線でステンレス製の車止めは10件程度だったが、今年は車止めだけですでに約50件。背景には金属価格の高騰などもあると考えられるという。同課によると、車止めは公園や団地に複数本が集中していることや、比較的容易に抜き取れることなどから狙われやすいとみられるという。
盗まれたのは車止めばかりではない。幸手署などによると、栗橋町南栗橋8丁目の大沼公園で、2月8日から15日にかけて、滑り台のステンレス製の滑降部分(長さ3メートル、幅0・7メートル)が盗まれた。周囲には留めネジが散乱していた。被害額は約20万円という。
同町は事件後、町内にある車止めの設置場所を調べて職員が巡回。その結果、23日には別の公園でも、滑り台の滑降部分がなくなっているのを町職員が発見した。担当者は「子どもたちの遊び場を奪うようなもの。どうかやめてほしい」
県公園課も、県管理の公園で、車止めを固定するネジを接着剤でとめたり、出先機関に警戒を呼びかけたりしているが、有効な対策にはなっていない。「全部の公園を見回りすることは出来ない。どうすればいいのか」と頭を抱えている。
県警は、公園や団地などで、夜間の不審車などへの警戒を強化するとともに、転売先などの捜査を進めている。
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