東電によると、柏崎刈羽1号機は92年2月、定期検査に入る準備中、装置故障から原子炉の水位が低下して緊急停止した。報告を受けた発電部長(すでに退職)は、数時間後に原子炉が停止する予定だったことや、国などにトラブル報告書をまとめる作業が面倒だったことから、もみ消しを指示。当直員らは運転日誌などに虚偽のデータを書き込み、緊急停止の事実を隠した。
この部長は約3カ月後には、同機の緊急炉心冷却装置のポンプ故障を隠して定期検査に合格させた。その際も検査を通すため、同型ポンプを福島第二原発から借りて設置し、検査官をごまかそうとするなどの行為をしていた。
調査チームの聞き取りに、部長の不正を証言した元部下の一人は「今までなかなか話せなかった。胸のつかえが下りた」と述べたという。
福島第二1号機でも副所長まで報告が上がりながら、同じような判断で隠蔽(いんぺい)工作が進められた。
同社の築舘勝利副社長は「ものを言いやすい仕組みを社内に浸透させ、再発防止に取り組みたい」と述べた。
http://www.asahi.com/national/update/0301/TKY200703010443.html