環境重視の野党、90年連合・緑の党のキュナスト院内総務が2月12日付のフィナンシャル・タイムズ紙(独語版)で「ドイツ車は排ガスが多い。トヨタのハイブリッド車を買おう」と呼びかけた。環境担当の欧州委員も今年に入り、ベンツからトヨタ製に公用車を変えたいと繰り返している。
これに対し、ティーフェンゼー独運輸建設相は「独車に対する安っぽいボイコット運動だ」と反発。ガブリエル環境相も「私はドイツ人の税金で暮らす。日本車には乗らない」と明言した。
独メーカーは環境対応としてディーゼル車に注力してきたが、注目を集めるハイブリッド車の開発では後手に回っているとされる。EUでは2月、新車の大幅排ガス規制に負担増のドイツが反対し、再検討を迫った経緯がある。メルケル首相は25日付独紙のインタビューで、独製の公用車の排ガス量が多い難点を認めながらも「私の愛車はフォルクスワーゲン」とひとまず国内メーカーを擁護、技術開発を強化するよう業界にハッパをかけている。