保安院などによると、緊急停止のもみ消しは、柏崎刈羽1号機では92年2月、福島第二1号機では85年11月に起きた。いずれも定期検査に入る準備のため原子炉の出力を下げて止めようとした際に、装置の故障から原子炉が緊急停止した。
原子炉等規制法では、緊急停止した際に国への報告を義務づけている。しかし、東電は当時の通産省に報告せず、運転日誌の内容を「安全停止した」などと不正に書き換えるなどしていた。
柏崎刈羽では発電所の部長、福島第二では副所長にまで報告が上がっており、いずれも現場幹部が判断していたという。
柏崎刈羽1号機では、緊急停止のもみ消しがあった直後の定期検査で、緊急炉心冷却装置のポンプの故障を隠して検査に合格させていたことが、今年1月末に明らかになっている。
このほか、柏崎刈羽7号機でも、01年に蒸気タービンの点検データを改ざんして国の定期検査に合格させていたこともわかった。
東電は昨秋のデータ改ざん問題の発覚後、再調査してその結果を今年1月末に発表。その際に柏崎刈羽1号機の故障の偽装が明らかになった。保安院の追加調査の指示を受けて、東電は1日午前、一連の不正を盛り込んだ報告書を保安院に提出した。
http://www.asahi.com/national/update/0228/TKY200702280366.html