終末期医療をめぐって殺人罪に問われ、28日、東京高裁で減刑の有罪判決を受けた川崎協同病院(川崎市)の元呼吸器内科部長・須田セツ子被告(52)は判決後、「死は厳粛で、身近な存在。(医師が)患者と家族との問題に立ち入っていくのは難しい」と報道陣の取材に語った。
高裁は家族から治療中止の要請を受けたとする須田医師の主張を否定できないとした。「一部に事実誤認はあるが、素晴らしい判決をいただいた」と笑顔を見せた。
川崎協同病院を退職後、横浜で診療所を開設した。逮捕で診察を一時中断したほかは休診日も往診に出る生活という。
判決前、朝日新聞の取材には、こう語っていた。「尊厳死の要件をどうするべきか、といった難しい話は、正直、私にはわからない。苦しみ、困っている人を見ると本能で動いてきた。人の苦しみを見て見ぬふりをすることがあってはならない。それに尽きる」
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