元教師や元医師ら三十人で審査する機構は、全年齢対象から十八歳未満禁止まで六ランクの中で、十二歳以上の視聴を推奨する「12禁」にした。
しかし「暴力シーンが多く、年齢を上げるべきだという声ばかり」と広報担当スー・クラークさん。当初は「15禁」を検討しながら、映画会社が拷問(ごうもん)場面などを抑え気味にしたため変更したという。
息子(9つ)、娘(7つ)とロンドンの映画館へ出かけた医師アンドリューさん(44)は「妻は反対したけど…。子どもと一緒にボンドを見たかったんだ」と苦笑した。
家族向きだけれど、幼い子には刺激が強い。そんな映画を「12禁」に指定するようになったのは、一九八九年の「バットマン」がきっかけ。暴力シーンのほか怖さや性描写、言葉遣いなどを判断基準にしている。
英国で国民的人気を誇るもう一つの映画「ハリー・ポッター」では、四作目の「炎のゴブレット」が初めて「12禁」になった。登場人物の殺害シーンなどがあるためだが、十一歳と八歳の息子と一緒に観賞したロンドンの主婦サラ・ギルフィランさん(45)は「二人ともポッターファン。あまり気にならなかったわ」。
基本的に強制力を持たないランク付けは「あくまで親へのメッセージ」とクラークさん。七月公開の五作目「不死鳥の騎士団」は、さて、どうなるか−。
(ロンドン・岡安大助、写真も)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/nwt/20070228/ftu_____nwt_____001.shtml