横浜市瀬谷区で02年1月、三菱自動車製の大型トレーラーの車輪が走行中に脱落し、直撃を受けた母子が死傷した事故で、遺族が三菱自動車と国に約1億6千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。西田美昭裁判長は、三菱自に計550万円の支払いを命じた一審・横浜地裁判決を支持。欠陥を隠していた三菱自への「制裁的慰謝料」や見逃した国の責任を認めるよう求めた遺族側の控訴を棄却した。
制裁的慰謝料は再発防止を目的に悪質な加害者に実際の損害よりも高額な賠償を科すもので、米国の判例では認められている。西田裁判長は「不利益の補填(ほてん)という我が国の損害賠償制度の理念に相いれない」と指摘。「もし採用するのであれば適用対象、金額の算定方法を明確にした立法によるべきだ」と述べた。
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