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2007年02月28日(水) 00時00分

トヨタ、北米第9工場案 メキシコで10年朝日新聞

 トヨタ自動車は27日、カナダ、メキシコを含む北米の第8工場(年間生産能力15万台)を米ミシシッピ州北部のブルースプリングスに建設すると発表し、同社の北米での生産能力は毎年15万台程度の勢いで拡大することになった。それでも売れ筋の小型車は需要に追いつかないため、第9工場をメキシコに建てて10年にも稼働する案を軸に、さらなる能力拡大を検討する方針だ。ただ、投資負担が集中する北米の営業利益は2四半期連続の減益で、原価低減が急務になってきた。

 トヨタが北米で過去最大の13億ドルを投じて工場を新設するのは、米国で販売する車を北米でどれぐらい生産しているかを示す指標(北米生産車比率)が、過去5年で最低の54%に急降下したためだ。

 背景には、トヨタの06年の米国生産が原油高に伴う大型車不振で15年ぶりに前年を下回る一方、現地生産が遅れた燃費の良い中小型車を中心に、対米輸出が20年ぶりに100万台を超えたことがある。輸出を支えに米ゼネラル・モーターズ(GM)から世界販売首位を奪う構図は「いかにも心証が悪い」(トヨタ幹部)。

 2000人の雇用創出と現地部品の調達増が期待できる工場新設は、1931年以来の「盟主交代」に欠かせない演出とも言える。

 ただ、「第8工場は一里塚に過ぎない」(部品メーカー幹部)。目標の09年にミシシッピ工場が稼働すれば、トヨタは計217万台の北米生産能力を手に入れるが、北米販売は08年にも300万台に達する見通しだからだ。このためメキシコ第2工場を新設し、日本からの輸出に頼る排気量1リットル級の小型車を現地生産する案が浮上している。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000703010004