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2007年02月28日(水) 06時56分

変額年金、「終身」だと、説明された額より2割減の恐れ朝日新聞

 銀行などが販売している変額年金保険のうち、死ぬまで保険金を受け続ける「終身年金」方式については、契約者が加入時に例として説明された年金額よりも、将来受け取る額が2割前後減る可能性が高いことが分かった。生命保険協会は募集時の指針を改め、各社に改めて減額の可能性についての説明を徹底するよう求めているが、過去の募集時の説明が十分だったかどうかも問われそうだ。

 変額年金保険は、契約者が払った保険料を投資信託などで運用したうえで、年金の資金に充てる。契約者は、運用の満期時にこの資金を一括で受け取ったり、終身年金にしたりするなど、受け取り方法が選択できる。

 年金額は運用結果や、その時点で業界が「標準」としている年齢別の死亡率などから計算。各社が4月から採用する予定の新たな標準死亡率は、現在よりも各契約者が長生きする設定になっているため、「終身年金」を選択した契約者は、1年当たりに受け取る年金額が減る。

 第一生命保険や明治安田生命保険はすでに新たな死亡率の適用を決定。他の大手も同じ方向で、「加入時に契約者に例示した額より10〜20%減る」(大手営業担当者)との試算もある。

 大半の生保では募集の資料に「年金額は、受け取り開始時点に当社が定める率により計算されます」などと記すだけで、死亡率が改定された場合の具体的な影響は説明していないケースがほとんどだった。

http://www.asahi.com/business/update/0228/048.html