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2007年02月27日(火) 06時05分

関西テレビ社長辞任へ 「あるある」捏造で引責朝日新聞

 関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、同社の千草宗一郎(ちぐさ・そういちろう)社長(63)が辞任する方向になった。複数の関係者が明らかにした。有識者で構成する調査委員会で、「納豆ダイエット」以外の番組でも捏造の疑いが判明し、菅総務相も「極めて影響が大きい」と問題視しており、経営責任の明確化が避けられないと判断した。後任社長は筆頭株主のフジテレビ出身者を軸に調整している。

関西テレビの千草宗一郎社長

 捏造問題を検証している調査委(委員長・熊●勝彦元東京地検特捜部長)は、3月半ばにも調査結果をまとめる。千草社長はこれまで、自らの進退について「調査委の報告を待ちたい」として明言してこなかった。

 関西テレビは2月の総務省への報告で、問題となった「納豆ダイエット」以外に捏造疑惑が持ち上がっている放送回について、「調査中」「調査困難」「捏造とはいえない」などと説明していた。しかし、調査委の調べで、「納豆ダイエット」以外にも「好ましくない事例が数件ある」(熊●委員長)ことが判明した。

 さらに、日本民間放送連盟が関西テレビの会員活動を当面停止したほか、菅総務相が放送局への新たな行政処分案を、今国会に提出予定の放送法改正案に盛り込む方針を示すなど、捏造問題の影響は拡大している。

 関西テレビは1月、千草社長の役員報酬の30%カット(3カ月)などの関係者の処分を決めたが、自民党や総務省は、実効性のある再発防止策の取りまとめと合わせ、「経営責任の一層の明確化が必要」(総務省幹部)としている。社長の引責辞任を求める意見が大勢となっている。

 同社は経営陣の刷新を打ち出すことで、捏造問題の収拾を図りたい考え。後任にはフジ出身者を起用する方向で調整しているが、フジのキー局としての責任を問う意見もあり、難航する可能性がある。フジは関西テレビの筆頭株主(19.85%)。

 関西テレビは今月中に、捏造問題の検証や再発防止策を盛り込んだ報告書を総務省に提出する方針。調査委の報告を待って、再発防止のための機構改革案や経営責任について公表する。

 千草氏は69年、関西テレビに入社。番組プロデューサー、営業局長を経て、05年6月、社長に就任した。

●は「崎」の右上が「立」

http://www.asahi.com/culture/update/0227/001.html