組合は「全国一般東京東部労組コナカ支部」。茨城県の店舗に勤める25歳の副主任が委員長に就き、書記長は他店の同僚が引き受けた。
発端は1年ほど前。NPO法人「労働相談センター」(東京都葛飾区)に、コナカでの長時間労働などを訴える匿名の手紙が相次いだ。同センターはブログで、具体的な事例を寄せるよう従業員と家族に呼びかけた。
ぽつぽつと書き込みが始まった。「休みを少なくするのが、会社のやる気のバロメーター」(ハンドルネーム・現役店長)。「体がもちません。退職しかないのでしょうか」(同・社員)
組合の委員長になった渡辺輝(ひかる)さんも、相談先を探してブログにたどり着いた。朝8時半に出勤し、閑散期でも夜8時半、繁忙期には9時、10時まで働く長時間労働や、残業代の制限、有給休暇が取りづらいことなどに疑問を感じていた、という。
ブログを通じて全国に同じ気持ちの仲間がいることを知り、組合を作って職場の改善を求めることにした。「文句や陰口で終わらせたくない。仕事が好きで将来は店長になりたい。長く続けられるいい職場にしたい」
今月2日、労組結成をブログで報告すると、激励が並んだ。「未来は私たちで切り開いていきましょう」「参加する決心がつかない。でも応援してます」。会社にも労組結成を通告、来月初めに初の団体交渉が実現する見通しだ。
コナカ人事部は、長時間労働の実態は把握しておらず、調査中という。「団体交渉には真摯(しんし)に対応したい」としている。