「カネだ。撤退の理由はカネだけだ」。米民主党のビルサック前アイオワ州知事(56)が23日、08年大統領選からの撤退を表明した。ヒラリー・クリントン、オバマ両上院議員が激戦を繰り広げる同党で、つけいるスキがなかったようだ。
「我々は船に乗り、大航海に乗り出した。だが、船を波止場に戻すべき時がきた」。ビルサック氏は地元での記者会見で、そう語った。昨年11月末の立候補表明から3カ月たたないうちに断念に追い込まれた。
民主党の指名争いで重要なアイオワ州で知事を務めた経歴が強みだったが、1000万ドル(約12億円)以上の資金を持つクリントン氏にオバマ氏が対抗する激戦模様のなかで埋没。支持率は1%前後を低迷していた。
AP通信によると、今回の大統領選の指名争いに残るためには、6月までに2000万ドルが必要との見方もある。ビルサック氏は昨年末の7週間で110万ドル以上を集めたが、銀行には39万6000ドルしかなかった。