センターは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに苦しむ犯罪や事故の被害者、その家族らを支援する県内初の民間ボランティア団体。2004年5月の設立以来、ボランティアや弁護士らが、裁判所や病院を訪れる被害者に付き添う「直接支援」などの活動を行っている。しかし、法人格のない任意団体であるため、被害者の連絡先や被害内容などの情報を警察に提供してもらえない。被害者の申し出がなければ活動を始められないのが実情だ。
警察に情報提供を求めるには、法人化したうえで、県公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体に指定される必要がある。そのためセンターは06年5月、法人化と援助団体の指定に向けた準備を本格化。発足当初に十数人だった相談員を35人に増員して支援体制を拡充し、個人情報の管理を徹底するなど組織も整備して、法人化のめどを付けた。
総会には約55人が参加。来賓の安田貴彦・県警本部長は「柔軟できめ細やかな支援を行うには、公的機関だけではなく民間団体の力が必要」とセンターの役割を指摘。「全国被害者支援ネットワーク」の大久保恵美子副理事長は「いつでもどこでも、被害者が適切な支援を受けられる体制整備が必要」と激励した。
センターは、電話相談の実施日をこれまでの週2〜3日から4月には週5日に拡大するなど、支援体制の一層の充実を図る。清野功専務理事は「迅速で的確な支援ができるよう、法人格を取得したらすぐに援助団体指定の手続きを取りたい」としている。
◆犯罪被害者等早期援助団体◆
「犯罪被害者等給付金支給法」に基づき、都道府県公安委員会が団体の支援体制や組織規模などを審査して指定する。指定団体は、被害者の名前や住所、被害概要などについて警察から情報提供を受けられるため、犯罪や事故の発生直後から迅速な支援を行える。被害者支援センターやまがたによると、指定を受けた団体は、宮城、秋田両県を含め全国に9団体あるという。