科目名は「いのちを考える〜医療の原点を見つめて〜」。07年度後期に開講し、全15回。480人まで受け入れ、リポート提出などで単位認定する。日本財団(東京都港区)の寄付講座。
講師には、日野原重明さんらホスピスにかかわる医師のほか、宗教学者の山折哲雄さん、「死への準備教育」で知られるアルフォンス・デーケンさんらを招く。
ホスピスケアの普及に取り組む同財団によると、がん末期などの患者の体と心の痛みを和らげるケアについて、治療を受ける側を含めて医療現場での理解はまだ十分でない。学生のうちから学ぶ機会をつくろうと財団が開講を持ちかけた。
同大看護学部の眞嶋朋子教授(成人看護)は「若い人は死について教わったり、語ったりする機会が少ない。死にゆく人を想像し、生きるとは何か考え、視野を広げてほしい。法律や工学などの分野でも生かせる」と期待する。