論文は、キャサリン・バーファイリー博士らが執筆し、英科学誌ネイチャーに掲載された。ネズミから取り出した幹細胞が、脳、心臓、肺、肝臓などの細胞に育つ能力があることが確認できたとしていた。
しかし、同大の専門家委員会は、育った細胞を確認する過程に問題があり、そのデータに基づく論文の解釈は正しくない可能性があるとした。ただし、捏造(ねつぞう)ではなくミスだとしている。
骨髄の幹細胞は、一部の細胞に変化し育つ能力が知られていたものの、万能細胞のように働くとはわかっておらず、同博士らの論文は、再生医療につながる成果として、当時注目されていた。
しかし「同じ結果が再現されない」などの疑問が他の研究者から出ていた。英科学誌ニューサイエンティストが、同博士が別の論文に使った別の細胞の研究データと同じものが論文中にあると指摘。今回の問題が発覚した。
http://www.asahi.com/national/update/0225/TKY200702250079.html