内訳は政党支部が平均2763万円で、資金管理団体が平均1222万円(当時、資金管理団体がなかった5人を除く)。領収書添付や明細記載が不要なため、虚偽記載の温床ともされる経常経費が、政党支部では資金管理団体の2・3倍の規模となる実態が判明した。
昨年末には、佐田玄一郎前行政改革担当相が、経常経費などの不正処理を認めて辞任している。
議員の多くは資金管理団体のほか、自民、公明などの政党支部の代表にも就いており、経常経費の全体を把握するには政党支部分を合算することが必要となる。
政党支部と資金管理団体の経常経費の合計が最も多いのは、麻生太郎外相(1億1426万円)。次いで遠藤利明文部科学副大臣(1億642万円)、松岡利勝農相(1億478万円)、安倍首相(1億4万円)、田村憲久総務副大臣(9502万円)で、4人が1億円以上を計上した。
最少は、谷口和史総務政務官(234万円)だった。
資金管理団体がなかった5人を除き、政党支部の経常経費が資金管理団体より多いのは麻生外相ら54人で、逆に資金管理団体の方が多いのは安倍首相ら10人。
全国会議員を対象に集計した資金管理団体の経常経費は、平均987万円であることが既に分かっており、閣僚や副大臣らの平均はこの1・2倍だった。
安倍首相の事務所は「政治資金はすべて適正に処理している。法令に定められた記載事項以外については答えない」と回答した。
政治資金規正法では、政党支部は企業や団体からも献金を受けられるが、資金管理団体は個人と政治団体からに限定されるという違いがある。
【経常経費】 政治資金収支報告書には、支出額を経常経費と政治活動費の2項目に分けて記載する。経常経費はさらに人件費、光熱水費、備品・消耗品費、事務所費の4項目に分けられている。政治活動費は5万円以上支出した場合、領収書の添付や明細の記載が必要だが、経常経費は4項目それぞれの総額を書くだけとなっている。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070225/mng_____sya_____005.shtml