提訴の対象は、不正決算に関与した山本元・前グループ財務部門執行役常務と、不正の舞台になった子会社、日興プリンシパル・インベストメンツの平野博文元社長が決定している。不正決算を調査した日興の特別調査委員会(委員長・日野正晴元金融庁長官)から「重大な経営上の責任がある」と指摘された同グループの有村純一前社長も対象に含めることで最終調整している。
損害額は、グループに生じた損害額のほか、決算訂正のための監査費用や特別調査委の調査費用などから算定した。2月末に提出する05年、06年3月期決算などの訂正報告書の発表に合わせ、正式に発表する。
責任追及委は会社法の特別背任などでの刑事告発も検討したが、現状では証拠が不十分なことなどから見送る。多額の損害賠償請求訴訟を起こすことで前経営陣との決別姿勢を示す狙いがある。