◇若手ライター カメラマン
89軒 若者向け「解説」も
県内在住の若手ライターやカメラマンが、ちゃんぽんのガイドブック「出たばい、ちゃんぽん本。」を出版した。じげもんの舌が選んだのは長崎市を中心とした89軒。スープの製法や具の特徴、地図など、食べ歩きの手がかりになるデータを紹介している。若い世代のちゃんぽん離れも意識して、誕生の歴史や栄養学の解説もつけた。「伝統の味を受け継いでほしい」という願いがこもった一冊だ。
取材したのは、タウン誌などで活動している30代のライターやカメラマン4人で作る「NAGASAKIよか本制作委員会」。昨年12月から、長崎市のほか、佐世保や平戸、諫早、大村の各市や、島原半島の東岸、西岸の各地を取材した。
時には1日5食というハードなスケジュールをこなし、1カ月で100軒近くを食べ歩いた。できるだけ調理場に入ることを心がけ、「めんの原料に唐灰汁(あく)を使っている」「最低7種の具が入っている」など、伝統的な製法を守る店の中から89軒を厳選した。
ライターの坂井恵子さんは「100年以上の歴史があるちゃんぽんを、それぞれの店がこだわりを持って育ててきたことを痛感した。栄養のバランスがいいせいか、食べているうちに肌がつるつるになった」と振り返る。
一方で、多くの取材先で耳にしたのが「最近は若い人があまり食べに来ない」という声。ちゃんぽんの魅力を再認識してもらおうと、誕生の歴史や「栄養学」も取り上げることにした。
観光客の使い勝手も考え、長崎市の新地中華街の店はすべて掲載。地図も充実させ、持ち歩きしやすいように文庫本サイズにした。価格も「ちゃんぽん1杯分」の650円に抑えた。
発行人の平たけしさんは「地元の人でも、なじみの店以外は意外に知らないはず。県外の人に紹介するためにも、まず食べ歩いてみて」と話す。
県内の主要書店で販売している。
http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000000702240003