「これから1〜2年でオンラインゲームは急速に広がるだろう」。「信長の野望」などで知られるゲームソフト大手コーエーの松原健二・執行役員は23日、東京都内でのイベントでそう話した。
同社は、国内ソフトメーカーの中でも早くからオンラインゲーム向けに取り組んできた。07年度中に、三国志をテーマにしたゲーム機向けヒットソフトを、パソコン向けに制作して投入する。現在はソフト売上高に占めるオンライン向けは2割にとどまるが、これを高める狙いだ。
カプコンもソフトを開発し、オンラインゲーム制作のドワンゴと共同で07年度中にゲームポータルサイトを立ち上げる。
ゲームポータルを運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントは、人気漫画「北斗の拳」を題材にしたゲームを開発中。現在提供中のゲームは韓国系が中心だが、ソフト制作会社を傘下に収め、開発体制を充実させている。
オンラインゲームは、いち早くネットのブロードバンド化が進んだ韓国のメーカーが開発を先行させており、韓国各社は00年ごろから日本に進出して市場の牽引(けんいん)役となっている。
日本でもブロードバンド環境が整ってきたことに加え、ソニーのプレイステーション3などの新世代ゲーム機や携帯電話でもネットを介してゲームができるようになってきたことから普及に弾みがつくと見られている。
国内のゲームソフト市場の規模は、04年発売の任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の大ヒットで久々に伸びているが、それ以前には年間3000億円前後で伸び悩んでいた。これに対し、ゲーム誌のエンターブレインの予測によると、オンラインゲーム市場の規模も2010年には3000億円を超え、05年の2.4倍に膨らむ見通しだ。
〈オンラインゲーム〉 オセロなどの簡単なゲームや、多人数で同時にゲームを進める多人数参加型ロールプレイングゲームなどがあり、複数の人が一緒に参加できる。料金は月額定額制などがあり、メーカーにとっては発売時に売り切るゲーム機向けソフトと違って継続して収入が見込める利点がある。