福祉サービスを原則として本人の「1割負担」にした障害者自立支援法が施行されて4月で1年になる。「負担増だ」と障害者団体から批判もあるが、サービスの主体となる各区では、自立に向けた独自の支援策や負担軽減策などをあれこれとひねり出している。
中央区は低所得世帯の通所サービス利用者に対し、施設利用料を10%から3%に軽減する。
目黒区は、一般の会社に就職する障害者が仕事を覚える手助けをする。題して「ジョブコーチ」。一人につき3カ月をめどに派遣する。
板橋区はグループホーム、ケアホームに住み、都の家賃助成を受けている利用者に対し、1万円を限度に家賃を上乗せ助成する。
中野区は一般就労を目指す障害者の雇用促進のため、パソコン操作などを目的としたIT講習会を開く。福祉タクシーを利用しやすいように「車いす券」と「ストレッチャー(搬送用寝台)券」の交付枚数を増やす。
施設への通所などの際の利便を向上させる取り組みは、杉並区も試みる。タクシー会社や福祉団体などが実施している通所サービスは、料金や利用方法がまちまちのため、こうした情報を集約した「情報センター」を設置。外部委託で今秋から試行し、08年度から本格実施する。
練馬区は光が丘障害者地域生活支援センターを11月に開設。健康管理や金銭管理など社会生活力を高める支援や、就職などの相談に応じる。障害者自身がカウンセラーとなり、社会生活で必要な心構えなどを助言する「ピアカウンセリング」も開く。
世田谷区は発達障害児の早期発見や、療育・相談のための専門拠点施設を整備する。
豊島区は、区内約15カ所の授産所や福祉作業所が、統一したブランド名で商品をつくっていく。キャラクターも考案し、包装紙などに印刷。ブランドを確立し、障害者の収入アップを目指す。
千代田区は聴覚や言語などに障害がある区民に手話通訳者などを派遣する「コミュニケーション支援事業」を始める。利用料は月20時間まで無料で、それ以降も9割ほどは区が負担する仕組みだ。
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