争っているのは、米コンバース社から2001年4月に日本での登録商標を買い取った伊藤忠商事(大阪市)と、30年以上前からコンバースのスニーカーを取り扱っているという輸入販売業者「ロイヤル」(名古屋市中区)。
特許庁などによると、海外のブランド品について、そのメーカーと日本での商標権を取得した企業との間に資本関係などがある場合、第三者の会社による並行輸入は違法にならない。第三者の会社が海外でブランド品を仕入れた時点で、そのメーカーに収入があり、資本関係などがある企業も利益を得て、商標権が守られたとみなされるからだ。最高裁の判例がある。
ところが、米コンバース社と伊藤忠商事には資本関係などがない。このケースで第三者による並行輸入が認められるかは、まだ司法の場でほとんど判断が示されていないという。伊藤忠側は昨年9月、「並行輸入は禁止と解釈するのが当然」としてロイヤルに輸入販売を中止するよう通知した。
一方、ロイヤル側は「商標法の裏をかいくぐって、真正品の輸入を禁じようとするのは、並行輸入の不当な阻害を禁じた独占禁止法に違反する」と主張し昨年11月、名古屋地裁に提訴。伊藤忠の輸入販売が自社の並行輸入を阻害しているとして1億円の損害賠償などを求めている。19日に第1回口頭弁論があった。
伊藤忠側も東京地裁で反訴し、ロイヤルの並行輸入によって商標権が侵害されたとして8億円の損害賠償を求めている。
▼並行輸入……海外のブランド品や自動車などを、そのメーカーの日本の代理店や子会社と別のルートで輸入すること。一定の条件を満たせば、国内での商標権を持つ業者の許可を得なくても構わない。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070224/eve_____sya_____013.shtml