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2007年02月24日(土) 00時00分

格上げ目指し救急強化朝日新聞

 ★★市立四日市病院 3次施設の認定要望★★

 2次救急医療を担う四日市市立四日市病院(同市芝田2丁目)が、県に対して、より高度な救急医療を担う3次救急施設に認定するよう要望している。救急患者が増え続ける実情に合わせ、来年度から院内の救急センターのベッド数を増やすなどして救急機能を強化する。しかし、県は「すでに市内に県立総合医療センターという3次救急施設がある」として認定に消極的で、道筋はまだ不透明だ。(相原亮)

 四日市病院は県内の自治体病院では最大で、ベッド数568床を抱える。2次救急施設として、入院治療が必要な重症の救急患者らを受け持つ。

 現在、同病院は3次救急施設への認定を求めて県に働きかけている。同病院の伊藤八峯(やつお)院長は20日の市議会3月定例会で、「本当に役立つピカイチの病院にしたい。3次救急施設に位置づけるよう実態をアピールしたい」と改めて力説した。

 意欲を見せる理由は、病院や地域住民にとって利点が大きいからだ。小坂治事務長は「指定されると、すぐではないが、徐々に病院と地域住民の両方がよい方向に回る」と語る。

 まず病院にとっては、診療報酬が上がる利点がある。7日以内の入院患者の場合、1日あたり4万円から9万円に跳ね上がる。病院は年間で5500〜9千万円の増収を見込め、最新医療機器が導入できる。また、多くの経験を積みたい研修医が集まりやすくなる。

 その結果、現在、眼科や精神など計5科で実施している外来制限の解消が期待でき、地域住民にとってもメリットが大きいという。

 同病院は県への要望にあたり、「実態は四日市病院が、すでに3次救急医療の役割を果たしている」と主張する。昨年、四日市市消防本部が搬送した救急患者のうち、53・8%が四日市病院に運ばれ、県立総合医療センターは23・6%だった。四日市病院への救急患者は年々増え、昨年度は01年度に比べて約6割も増えた。

 患者増に対応するため、03年4月に院内に救急センターを開設。さらに来年度からは4年かけて緊急入院室を現在の19床から30床に拡大したり、専属の副部長を設けたりして強化する。

 県は県内の救急医療体制を位置づけた「保健医療計画」を、来年度に見直す予定だ。

 市にとっては3次救急の認定を受ける絶好の機会だが、県医療政策室は「すでに四日市には県立総合医療センターがあり、1市に二つは考えていない」とつれない。

 四日市病院の小坂事務長は「愛知県や岐阜県では、一つの医療圏に複数の3次救急施設がある。計画が実態に合っていないのでは」と引き続き認定を求める考えだ。

http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000000702240001