岩国市の米軍岩国基地に民間の定期便を就航させる軍民共用化計画で、県と市は23日、部長級による民空再開事業検討委員会の初会合を県庁で開いた。県は、計画実現は同基地への空母艦載機移転を前提とするという共通認識に立つことを目指したが、市側は「再編と共用化は別問題」との主張を変えなかった。
軍民共用化計画について、国は市が艦載機移転に反対する限り「共用化だけを先行させることは難しい」という考えを示し、事業主体や運営費、施設整備費の負担を含めた計画を明らかにするよう県と市に求めていた。
検討委で市は「移転との絡みが生じている」との認識は示したが、再編とは別問題との見解を繰り返した。県側は、そうした認識に立つ以上は市が事業主体になると指摘したが、市側は「財政力を考えると難しい。県にお願いしたい」と答え、議論はかみ合わなかった。134億円と試算する施設整備費を2対1の割合で負担することについて、県が「90億円程度の負担」と明言したのに対し、市は「応分の負担をしたい」と言い、金額の言及を避けた。
一方、共用化実現には、同基地の滑走路沖合移設事業に連動させる必要があり、県は08年度の政府予算の概算要求時までに計画を具体化させる必要があるという考えを示した。このため、県が予算要望する今年6月ごろが期限となる見通し。協議を急ぐ必要があり、3月末にも2回目の検討委を開くことを確認した。(金子元希)
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