プロディ首相は21日、上院で行われた外交方針への賛否を問う投票で賛成が過半数に及ばなかったことから、大統領に辞表を提出。大統領は与野党の代表や上下両院議長らとの会談を繰り返し、対応を検討していた。
プロディ政権の与党中道左派連合は共産党系から穏健派カトリックまで幅広い政党の集まりで、昨年5月の発足以来、重要法案ごとに首相は政府内の意思統一に苦慮してきた。21日の投票では、政権が掲げる軍のアフガニスタン駐留継続や米軍基地拡張に反対する与党内の最左派グループの2人が棄権した。
大統領が首相続投に道を開いたのは、上院の投票がわずか2票差だったことや、首相の辞任表明後、中道左派連合の全党が「プロディ続投」で一致したことなどを考慮したためとみられる。
首相が辞任した場合、大統領は議会を解散するか、他の首相を指名して組閣を命じることができる。しかし、中道左派連合の各党は22日、急きょ「アフガニスタンでの国際貢献」を含む12カ条の文書に合意。「政府内で一致しない問題は首相が最終的な発言権を持つ」との項目を入れ、結束をアピールしていた。