経営再建中の電機大手「三洋電機」(大阪府守口市)が、2005年3月期までの2年間の決算で、保有する子会社株の評価損などを過小計上していた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会の調査を受けていることが分かった。
監視委は同社社員を事情聴取しており、同社は23日、「当局の調査に全面的に協力している。通常の資料提出、説明と理解している」とのコメントを発表した。
有価証券報告書などによると、三洋は03年3月期、保有する子会社の株式の評価損などがあり、連結ベースで当時としては過去最大の616億円の赤字(税引き後)に陥ったが、04年3月期では一転して134億円の黒字を計上していた。関係者によると、三洋は、子会社などの業績が低迷していたのに、その株式の評価損を実態より少なく計上し、利益を水増して決算を粉飾していた疑いがあるという。
会計監査を担当していた中央青山監査法人(現みすず監査法人)は、問題となっている時期の決算処理について適正との意見を出していた。三洋側の関係者も読売新聞の取材に、「会計基準にのっとって適正に処理した」としている。
三洋には、05年11月、主力取引銀行の三井住友銀行出身者が副社長として入社し、子会社を含むリストラを実施。06年3月期に2056億円の赤字を計上し、子会社株の評価損などの大半を処理したとみられる。