【癒着なお再び逮捕】
収賄などの罪で2年前に懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けた前草津市長が、今度は国会議員を脅迫した疑いで逮捕された。東京・南青山の土地取引に関する国会質問をめぐって国会議員を脅迫したとして暴力行為法違反の疑いで逮捕された芥川正次容疑者(48)は、以前から業者との不透明な関係がささやかれていた。在任わずか11カ月で市政トップの座を降りた男が、再び捜査対象になった。
草津市内の閑静な住宅街の一角にある芥川容疑者の自宅は22日朝、家族の出入りはあったが、芥川容疑者は不在とみられ、雨戸は閉まったままひっそりしていた。
芥川容疑者は、故・宇野宗佑元首相の秘書を経て36歳で県議に。03年2月の市長選で、3選を目指す現職を破ったときは44歳の若さだった。
市長選でこう訴えた。「改革や実行、挑戦を旗印に、市民の目線で物事を考え、税金は効率的に運用して無駄遣いは許さない」。当選後は公約通り黒塗りの公用車を売却し、自転車で市役所に通う姿も見られた。「即断即決。今どきの市長だ」と当時の職員からは評価されていた。
だが、建設業者と癒着疑惑も浮上した。市内の業者から地元優遇の指名競争入札制度に改めるよう要望を受け、それまでのA〜Cの入札のランク分けを変更し、7千万円以上の工事も地元業者が優先的に指名できる「特A」ランクを新設した。
04年1月に市長選時の運動員が公職選挙法違反容疑で逮捕されると、すぐに辞職を表明。同2月には自身が収賄などの容疑で逮捕された。わいろを贈った業者の中には、特Aランクの業者も含まれていた。
このころすでに、今回の事件で暴力行為法違反容疑で逮捕された山元康幸容疑者(49)との関係もうわさされていた。ある市議は「山元容疑者は金の面倒をみて、行政情報を得ていた。芥川容疑者の保釈金を払ったのも山元容疑者で、保釈後は自分の会社の仕事もあてがっていた」と話す。
芥川容疑者が市長だった当時、助役だった伊庭嘉兵衛市長は「前市長の収賄事件以来、情報公開と透明度の高い市政運営を進めている中で、誠に遺憾に思う」とコメントした。
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