愛媛県教育委員会は23日、同県宇和島市の県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」の船員らが、遠洋航海実習の際に捕獲したサメのヒレ(フカヒレ)などを無断で売却、船員の組合費や懇親会費などに充てていたと発表した。
県教委によると、船員らはフカヒレやマグロの内臓などを売却、2003年度以降の売り上げは計約125万円に上っていた。
現在の実習船は米ハワイ沖のえひめ丸事故(01年2月)後に建造。フカヒレなどの売却は長年の慣行で、02年度までの繰越金約35万円もあった。
船員は20人で、全員が県職員。売上金は03年度以降、所属する教員組合の組合費に92万円を充てたほか、送別会や懇親会の費用や慶弔費、実習生へのジュースや菓子代にも使っていた。
実習で捕獲したマグロの売却代金は県の収入にするが、船員らは一緒に取れたサメを船上で乾燥させるなどして加工、マグロを降ろすために寄港する神奈川県三浦市の漁港で業者に売却していた。実習に同行する指導教員は把握していたとみられるという。
県は残っていた約13万6000円を没収する。
今後はフカヒレの売却代金なども県の収入に計上する。
長崎県教委が20日、同県立長崎鶴洋高校(長崎市)の実習船乗組員らが同様の行為をしていたと発表したばかり。
ZAKZAK 2007/02/23