新潟日報社は21日、同紙が昨年11月21日付朝刊に掲載した北朝鮮による拉致被害者の松本京子さん=失跡当時(29)=に関する社説で、朝日新聞の社説から盗用した記述が6カ所あったと発表した。
社説を書いた男性論説委員(55)は21日付で論説委員職を解かれ総務局付となった。
同社によると、社説は「拉致被害認定 さらに失踪(しっそう)者の捜査を」で、朝日新聞の昨年11月18日付社説「被害者認定 また広がった拉致の闇」と書き出し部分の表現などが酷似している。
論説委員は「社説を引き写す意識はなかったが、構成が同じととられても仕方ない」と盗用を認めたという。同社は調査委員会を設置し、論説委員が書いた過去の社説を中心に検証する。
高橋道映専務は「長い歴史の中で地域に根差してきた報道機関として申し訳なく、深くおわびする。今後は原点に返り、役割を果たしていきたい」と謝罪した。
論説委員は1975年入社。柏崎支局長を経て、2004年4月から論説委員室に勤務。経済のほか拉致問題を含む北東アジア情勢を担当していた。
新潟日報は拉致事件関係者に取材した連載で2004年度に日本新聞協会賞を受賞している。
ZAKZAK 2007/02/22