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2007年02月22日(木) 00時00分

監査委、異例の『不調』 文京区の元町公園 意義紹介の冊子廃棄で 東京新聞

 文京区にある関東大震災後の復興小公園「元町公園」をめぐり、同公園の歴史的意義を紹介した冊子を区がいったん廃棄し、その部分を削除して作り直したのは不当な支出にあたるとして、区民らが煙山力区長に十六万六千九百五十円を返還するよう求めた住民監査請求について、区監査委員は「合議不調」との結論を出した。監査委員の決定は通常▽勧告▽棄却▽却下−のいずれかで、不調となるのは異例。同区では初という。

 この冊子は、区の歴史文化を広報する「ふるさと歴史館だより」。監査結果によると、三人の監査委員のうち二人が、区が納品前に印刷業者に冊子を廃棄させ、検品もしないで代金を支払った行為が不当と指摘。一人は「書類上の不備はあるが実質的に損害ではない」とし、意見が分かれた。

 一方、請求では、区が同公園への体育館移設計画への影響を懸念して、区民が知るべき情報を隠すため二度冊子を作製したのは不当と訴えていたが、監査委員は「政策判断自体は監査の対象外」との見解で一致した。

 請求人の一人で東大研究員の鹿野陽子さんは「決定を出さないのは無責任。情報隠しの区の判断が妥当かどうかも、監査してほしかった」と話している。 (原昌志)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070222/lcl_____tko_____002.shtml