「がんに有効」などと効能をうたい、未承認の医薬品を無許可でがん患者らに販売したとして、新潟県警生活保安課と長岡署は22日、同県長岡市川崎町、産婦人科医、勝見喜也容疑者(67)を薬事法違反の疑いで逮捕した。
医師が同法違反容疑で逮捕されたのは25年ぶり3例目。
調べによると、勝見容疑者は06年7月、承認を受けていない2種類の医薬品について「この先、認知症やがんの心配もなく毎日を気楽に過ごせる」などの広告を月刊誌に掲載し、効能を宣伝した疑い。
さらに06年5〜10月、薬局開設者や医薬販売業の許可を得ずに県内外の3人に、医薬品計180錠を6万円で販売した疑い。錠剤はキノコのハナビラタケを主原料としており、東京都の会社から1錠44〜80円で仕入れていた。
勝見容疑者は産婦人科医院を開業する傍ら、05年8月、健康食品販売会社を設立。雑誌の広告やホームページで「がんなどに有効な結果を得ている」と宣伝。
06年4月以降、25都府県の35〜75歳の男女148人に販売し、約1600万円の売り上げがあった。中には子宮がんや胃がん患者もおり、死亡者も4人確認されている。