警察当局の調べでは、指示役はいずれも通称の「キム・ナムジン」と「ハン・クムニョン」の両容疑者。ともに現在70〜80歳代で北朝鮮国内にいるとみられる。拉致当時は対外情報調査部で「指導員」の地位にあり、拉致後にハン容疑者は対日課長に、キム容疑者は同課副課長に昇格したという。
これまでの調べでは、キム容疑者は蓮池さんと食事をした際、「(チェ元工作員に)連れてこいと言ったのは私だ」と打ち明けたという。「女性を狙ったが、一緒にいたからお前も拉致した」とも説明された。
また、ハン容疑者は蓮池さん夫妻の拉致後、チェ元工作員から「成功した」とする無線報告を受けたとされる。北朝鮮の貿易代表団として何度か来日していたという。
警察当局は、両容疑者が曽我ひとみさん(47)親子や地村保志さん(51)夫妻の拉致事件にも関与した可能性があるとみて調べを進めている。
蓮池さん夫妻は78年7月31日、新潟県柏崎市の海岸にいた際、「たばこの火を貸してくれないか」と近寄ってきた複数の男に襲われて拉致された。警察当局は06年2月、実行犯をチェ元工作員と特定し、国外移送目的略取容疑などで逮捕状を取っている。
http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY200702210317.html