バス運行状況
調べなどによると、あずみ野観光バスは大阪市内の旅行会社2社と契約。17日夕、長野県・白馬地域から両社のツアー客を乗せ、バス計4台を大阪方面に出発させた。
同社は運転手を6人しかそろえず、運転手2人が乗ったバスは1台だった。事故車両を含む他の3台は運転手が1人しかおらず、専務が高速道のパーキングエリア(PA)などでバスを乗り換えて、運転を交代していたとみられる。
事故車両は、17日午後6時半ごろ、長野県小谷(おたり)村を出発した際、小池勇輝運転手(21)が運転していた。県内のスキー場など6カ所を回った後、名神高速道路の尾張一宮PA(愛知県)で専務が事故車両に乗り込み運転して、草津PA(滋賀県)で小池運転手と運転を代わったという。専務は同PAで別のバスに乗り移ったという。
事故車両は長野、愛知、滋賀県内のPAなどで停車し、それぞれ20〜40分間、休憩していたという。
道路運送法に基づく規則は、深夜の長距離運転で過労が予想される際は、運転手の交代要員の配置を定めている。長距離のツアーバスは、深夜帯に長野—大阪など長距離を走らせる際は、1台に運転手2人を乗務させるのが旅行業界の通例とされてきた。
大阪市内の旅行会社は、同社との契約で「バス1台に乗務員は2人」を条件としていた。順守していなかったとして事故後に抗議したところ、同社の担当者は「運転手に限らず、車掌も含めて乗務員2人の意味だととらえていた」などと釈明したという。同社は、事故車両に社長の死亡した三男(16)を乗車させ、別のバスには次男(20)を乗せていた。2人とも大型二種免許を持っておらず、「車掌」としてバスの誘導や荷物の運搬を担当していたという。旅行会社は「運転手が2人乗っていると認識していた」としている。
http://www.asahi.com/national/update/0222/OSK200702210081.html