小沢氏が公表したは、2003年から05年に支出した事務所費の領収書や関係書類。これらのうち、05年には秘書宿舎建設の費用として、約3億7000万円を計上しており、東京都世田谷区に不動産を取得したと説明。自分名義になっている不動産についても、個人としての権利を持っていないことを示す、小沢氏と陸山会との間で交わした「確認書」を公開した。
これに対し、“ボール”を投げられた自民党側の反応は、どうも鈍い。塩崎恭久官房長官が「法令の根拠のないまま、事後的に法令以上の義務付けを行うことは適当ではない」と発言したかと思えば、中川秀直幹事長も「与野党間でルールができれば公表する」と消極的だ。
この絶妙なタイミングで表舞台に出てきたのが小泉氏だ。20日昼に国会内の自民党幹事長室を訪ね、中川氏と塩崎氏に「目先のことに鈍感になれ。鈍感力が大事だ」と得意のワンフレーズで叱咤激励した。小泉氏の発言は、下落傾向にある安倍内閣の支持率について言及したものだが、「小沢氏の事務所費公表で、自民党が劣勢に立ちかねないと先読みしてのこと」(自民党筋)との見方も。
ただ、小泉氏が動けば安倍晋三首相の存在感の薄さに拍車がかかることも懸念され、安倍首相にとって、小泉氏の激励は痛し痒しかも。
ZAKZAK 2007/02/21