対象としたのは、全国10府県の40〜69歳の女性5万5000人。研究班は90年と93年に、対象者の体格や出産経験などを聞き、約10年間にわたって追跡調査した。
その結果、閉経前の女性では、初潮を迎えた年齢が「14歳未満」のグループは、「16歳以上」に比べ乳がんのリスクが4倍だった。閉経した年齢でみると、「54歳以上」が「48歳未満」の2倍だった。研究班によると、女性ホルモンの分泌が影響している可能性があるという。
また、出産経験のない人は、ある人に比べてリスクが1.9倍だった。子どもが多いほど、がんになっている女性が少なかった。
身長でみると、「160センチ以上」が「148センチ以下」に比べ、閉経前で1.5倍、閉経後で2.4倍だった。栄養状態などが関係しているとみられる。閉経後の女性では、体格指数(BMI)が高く太っているほどがんが多かった。
がんセンターの岩崎基・ゲノム予防研究室長は「自分で意識して避けられるリスクは肥満。ほかの要因は自分で管理できないので、定期的に乳がん検診を受け、早期に発見してほしい。今後は個人ごとにリスクを判断できるシステムづくりを考えたい」と話している。