テレビ東京は外部の指摘を受け、関係者に事情を聴いて捏造を確認したという。同局広報・IR部は「よりわかりやすくするため、編集していた担当ディレクターが自分の指先の映像を使った。捏造と言われてもやむを得ない」としている。
同局の菅谷定彦社長は21日の定例会見でおわびし、「番組のチェックの仕組みがルール通り機能していなかった。再発防止策を改めて見直す」と発言。自身を1カ月の報酬減額20%、島田昌幸・専務を同15%、藤延直道・取締役制作局長を同10%、担当プロデューサーを減給1カ月とする処分を発表した。
番組は関東ローカルで1時間15分、放送された。水泳など複数のダイエット法を紹介し、その一つとして山田花子さんが「ヨガで冷え性改善ダイエット」を体験した。
最初に、正常な人のもので、「勢いよく血液が流れている」と説明した毛細血管の映像と、山田さんの「血液が今にも止まりそうに流れている」とした毛細血管の映像を紹介。山田さんがヨガに取り組む映像をはさんだ後、山田さんの毛細血管の様子だとする映像を示し、ナレーションで「毛細血管がはっきり見え、血液もきれいに流れています」と説明した。
しかし、同局によると、ヨガ後の血管の様子として流したのは、最初に正常な人の血管として紹介したのと同じく、担当ディレクターのものだった。
同局は番組全体を制作会社ヒューマンビューに発注。事実上の丸投げで、編集していたのは同社のディレクターだった。同社への発注は当分停止するという。
同局では2年前にも、花粉症の治療を取り上げた番組で捏造が発覚。その後、撮影や収録に同局のプロデューサーが立ち会い、完成したVTRを専門家に見せるルールにしたが、守られていなかったという。
番組は1月6日午後4時からで、視聴率は4.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だった。
http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200702200506.html