消費者の目は年々厳しくなり、廃棄しなければならない食材は増えるばかり。特に食の安全性にかかわる問題が取りざたされると、その度合いが高まるというのだ。
製造者が安全管理を徹底するのは当然のこと。問題のある商品ははじかれ、販売後に回収することも。だが、理不尽な苦情でも安全性を優先し、廃棄せざるを得ない場合がある。そんなとき、子どものころに親に言われたことが脳裏をよぎるという。「食べ物を粗末にするな」
食の安全を守ろうとする使命感と、本来は安全な食べ物を捨てることに対する罪悪感。そんな現場のジレンマを打ち明け、「どうにかできないものか」と言う友人に、解決策を示すことはできなかった。
ただ、消費者の責任について、あまり意識することのなかった自分に気付かされた。食べ物を粗末にしないために普段からできることを、消費者の一人として心掛けたいと思う。 (服部展和)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070221/lcl_____tko_____004.shtml