2007年02月20日(火) 10時00分
大ブーム「詰め放題」の現場をウオッチング(日刊ゲンダイ)
店が用意した一定の大きさの袋や容器にできるだけ多くの品物を入れる“詰め放題”が人気だ。いくら詰め込んでも値段は同じとあって、詰めれば詰めるほどおトク。インパクトのある客寄せ作戦として店側もホックホク。どんな種類の詰め放題があるのか、評判はどうか。最前線をリポートだ。
●平積みの段ボールに果物や野菜が!
午前10時。開店と同時に買い物客が押し寄せる。入り口近くに平積みになった段ボールの中には、伊予柑がぎっしり。その横の山には黄色いグレープフルーツ、さらにジャガイモ、ニンジン……。客は店が用意したタテ40センチ×ヨコ20センチほどのビニール袋を受け取るや、目指す段ボールの山へ。果物は1袋にいくら入れても500円、野菜は200円。
ここは、東京メトロ東西線西葛西駅から歩いて5〜6分、昨年12月にオープンした「新鮮市場 マルエイ西葛西店」((電話)03・5658・8500)だ。
「詰め放題はオープン以来、ほぼ毎週やっています。“今度はいつだ”“今度の商品は何だ”と問い合わせがすごいんです」
こう言うのは、店長兼営業部長の羽生保司さん。詰め放題といえば、在庫品を整理する目的もあるのではと思われがちだがそうではない。
「“市場を直接売り場に持ってくる”というのがうちのモットー。安かろう、悪かろうでは今の消費者は納得しません」(前出の羽生店長)
実際、在庫整理や客寄せだけでは、これほど頻繁に開催するのは無理。
ほかにも、魚売り場ではマアジの詰め放題が。30×15センチほどのビニール袋に、アジがギュウギュウ。記者は12匹詰めるのに四苦八苦だったが、ベテラン主婦は15匹も。
「頭を下向きに入れる人が多いけど、それだと隙間(すきま)ができてソン。頭と尻尾を交互に並べて入れるのがたくさん詰めるコツ」
肉売り場では若鶏モモ肉の詰め放題だ。
「ギュッと詰めて時間を置くと水分が出るのよ。それを捨ててまた詰め込むの。楽しいし、ストレス解消にもなります」(30代主婦)
ほかにも焼きそばやウインナなどが。
●弁当のおかず100種類が!
芝大門の繁華街の一角にある弁当&総菜ショップ「キッチントマト」((電話)03・5401・0282)は、“おかず詰め放題”で人気。店内には約100種類のメニューが並ぶ。経営する(株)フードシステムの古田基社長は言う。
「料理の半分の50種類は日替わりです。しかも、作る人がローテーションで代わり、味付けも変わりますから、お客さんは毎日食べても飽きないんです」
オープンは午前11時。近隣のオフィスからOLやサラリーマンが続々と来店する。詰めるパックは大450円と小300円がある。サバ煮、ホウレンソウのおひたし、卵焼きなどが次々と詰め込まれる。
「自分の好きなものを、栄養も考えて選べるのがいいですね。普通の弁当は野菜が不足しがちです」(40代サラリーマン)
閉店は午後2時。1日3時間で平均100人が利用。ほかにサラダ、パスタなどの詰め放題も。
● US古着が1袋500円!
JR千葉駅東口から約10分のUS古着ショップ「トリサワタカアキ千葉店」((電話)043・201・2608)は古着の詰め放題を。
袋の大きさは50×43センチで500円。主にアメリカ製のシャツ、Tシャツ、スエットなど。
「シワやヨゴレなどのダメージ商品が中心です。シャツなら1袋に10枚は入ります。彼女と彼氏が共同でワイワイ、キャーキャー言いながら詰め込んでいるなど、みんな楽しんでいますね」(店長の松本明日香さん)
2月末までの土・日曜に実施。
●文庫・コミック、歴史・考古学の古書も!
古本の詰め放題セールを行っているのは、八王子の「ロケットパンチ」((電話)042・654・0566)だ。30×20センチの袋に、文庫本とコミックの詰め放題を、300円で実施。毎週日曜日限定。
「文庫本は12冊程度、コミックは6〜7冊が限界。サラリーマンの方も面白がって挑戦される方が多いですよ」(代表者の吉川哲朗さん)
CDやゲームの詰め放題も検討中だという。
また、御茶ノ水・山の上ホテルの裏手にある歴史・考古学専門書店「六一書房」((電話)03・5281・6161)は、段ボール1箱で1000円。
「大学教授などが処分に困った本を預かっており、これを学生さんや歴史・考古学ファンの皆さんに活用していただこうと始めました。1箱に25冊前後入ります」(代表取締役の八木環一さん)
掘り出し物も多いゾ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070220-00000003-gen-ent