2007年02月17日(土) 10時00分
安倍首相「悶絶死」迫る(日刊ゲンダイ)
今回の「6カ国協議」合意で、日本は完全にカヤの外に置かれた。大マスコミは遠慮気味に書いているが、「拉致問題」にこだわる安倍首相が悶絶死する日が迫ってきた。
安倍首相にとって、頭越しの米朝急接近は青天の霹靂(へきれき)だったに違いない。ブッシュ政権には拉致問題が進展しない限り、北朝鮮支援はしないようにと頼み込んできた。ところが、米国のヒル次官補は金融制裁解除に続き、重油100万トン支援で話をまとめてしまった。中国、ロシア、韓国も異議なしだ。昨年から米朝接近を見通していた外務省の北朝鮮班長だった原田武夫氏がこう語る。
「ブッシュ共和党政権が北朝鮮にかなり譲歩してまで6カ国協議をまとめたのは、国内事情です。民主党関係者がこの数カ月、北朝鮮と接近を強め、ブッシュの次の政権が北朝鮮と国交正常化へ向けて動き出すのは確実な情勢になっている。それなら自分の政権で北朝鮮問題を片付け、得点を稼ごうとブッシュ政権は考えたのです」
●ブッシュ米国は日本の味方でなくなった
ブッシュの頭からは、日本の拉致問題は消え去っている。となると安倍首相はどうなるのか。原田氏が続ける。
「日本は第1段階の支援には加わらない。だから、安倍さんは『拉致の進展なくして……』と強気を装い、時間稼ぎをしていられる。しかし、60日以内にやってくる第2段階では、各国と同じ支援を迫られる。そのとき、日本だけ支援を断れば、米国や中国から猛反発を受け、6カ国協議からハジキ出される。支援に応じれば、国内で『拉致問題を捨てるのか』と猛反発を受ける。どっちにしても最大の窮地です」
安倍首相がウラ技を使うことはないのか。こっそり米国経由にして北朝鮮に重油代金を支払うとか……。
しかし、「衆人環視の6カ国協議の中ではウラ技は無理」と原田氏は言う。逆にブッシュ米国に尻をたたかれることになるそうだ。
「“核放棄”という手柄を横取りされた民主党は議会でブッシュ政権の拙速な北朝鮮外交や矛盾点をガンガン攻め立てる。6カ国協議の合意は壊れるかもしれません。でも、そうなると困るブッシュは、余計に合意を進めようと、日本に北朝鮮支援を急がせる。安倍政権は逃げようがないのです」
拉致問題は捨てられ、カネだけ分捕られる……やっぱり安倍首相は悶絶死だ。その日は参院選前にやってくる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070217-00000011-gen-ent