同本部は増加の背景について、病気やけがになりやすい高齢者が増えているほか、核家族化の進行によって保護者が子どもの急病などの際に、助言を受けにくい状況になりつつあると分析。「以前は『救急車を利用するのは恥ずかしい』と近所の目を意識する人もいたが、今ではそういう考え方の人が減っている」とも。
また、中には「子どもが転んで、ひざにすり傷ができた」「食べすぎで腹痛になった」「家庭で料理中に指をけがした」などと、応急手当ての知識を身に付けていれば、通報しなくて済むようなケースもあるという。
当事者にとっては深刻な状況だったり、容体が急変する恐れがあったりするなど、通報すべきか判断が難しい側面もある。ただ、昨年実際に搬送された約一万六千人のうち、半数以上の約八千四百人は入院不要の軽症と診断されている。
消防庁がまとめた二〇〇六年版消防白書によると、〇五年の出動件数は全国で約五百二十八万件で、十年間で約一・六倍に増加。これに伴い現場到着までの所要時間は長くなりつつあるという。 (松尾博史)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20070217/lcl_____tcg_____001.shtml