消費者金融「アコム」仙台駅前支店(仙台市青葉区)から、他人になりすましてだまし取った貸し付け用の会員カードで現金を引き出したとして、仙台中央署は、同支店の審査担当だった仙台市青葉区上杉、無職境佳子(34)と同市太白区西中田、衣料品販売業井上亮也(53)の両被告を詐欺と窃盗、有印私文書偽造などの疑いで逮捕した。
境被告らは2001〜03年、免許証のコピーを改ざんする手口で約50人の架空の人物を偽装し、同支店から会員カードをだまし取っていたといい、同署は、被害総額が約8000万円に上るとみている。
また、共犯として、2人の知人で同市青葉区の無職男(62)と境被告の姉(41)も逮捕、起訴されており、境、井上両被告と男の3人は公判中。
調べによると、境被告らは01年10月、井上被告の免許証に記載された名前の一文字を隠してコピーを取り、同支店に郵送で会員カードの作成を申し込み、境被告が審査を通してカードをだまし取った疑い。井上被告は、このカードで同支店から100万円の融資を引き出すなど、同様の手口で02年7月までに数回にわたり、計250万円を引き出した容疑でも立件されている。
井上被告は多重債務者で、正規の貸し付けを受けることができず、交際相手の境被告に犯行を持ちかけた。境被告は不正が発覚した04年1月、懲戒解雇されたという。
アコム本社広報部は「再発防止のため、社内規定などを見直したい」としている。