百貨店売上高の順位
大丸は西日本を拠点に東京や札幌などに計16店舗、松坂屋は東海地方を中心に9店舗をもつ。共に呉服店が前身の老舗(しにせ)百貨店。店舗の重複は一部にとどまり、補完する関係にある。
大丸は会長兼最高経営責任者(CEO)の奥田務氏が社長に就任後の90年代後半から不採算店の閉鎖、売り場販売員の働き方の見直しなどの改革を進め、収益力は業界でも上位にある。今年は東京新店の開店、横浜への食品専門店の出店を控えるなど、改革を終えて攻勢に転じている。
一方、松坂屋も不採算店舗の閉鎖、「村上ファンド」からの株買い戻しなどの懸案を処理し、店舗改装など本業強化に向けた態勢づくりを急いでいる。店舗政策では、東京の銀座店の建て替え計画を練っているが、東海地方以外での強化策を迫られていた。
統合後は商品仕入れ、物流部門などを共通にすれば、コスト削減が期待できる。
国内百貨店業界は、同業他社との競争だけでなく、大型SC、専門店とも品ぞろえが似通ってきている。全国の百貨店売上高は06年までの9年連続で前年割れを続けており、単独では成長戦略が見いだせない環境にある。
百貨店同士の統合は、03年6月に西武百貨店とそごうが統合してミレニアムリテイリングが誕生して以来。阪急阪神ホールディングスの発足に伴い阪急百貨店と阪神百貨店も統合を目指している。
<キーワード:大丸>1717年に京都・伏見に開業した呉服店「大文字屋」が前身。関西を中心に16店舗、従業員数は約3500人。スーパーの大丸ピーコックを関東や関西に66店舗展開している。
<キーワード:松坂屋ホールディングス>1611年に名古屋で開業した「いとう呉服店」が前身。子会社の横浜松坂屋を含めて東海地方を中心に9店舗。従業員数は約3900人。06年9月に持ち株会社制に移行。