高裁は、松下明夫弁護士(仙台弁護士会)と松井武弁護士(第二東京弁護士会)の2人が控訴趣意書の提出を拒否して訴訟の円滑な進行を妨害したとして、刑事訴訟規則に基づき処置請求を行っていた。
これに対し、15日の日弁連決定は、処置請求の性質を検討。「審理の進行確保の実効性を担保するために、裁判所が『特に必要があると認めるとき』に行使される制度。現に進行中の事件の審理とは切り離せない」と述べ、「審理が終結した後には、処置を請求することはできない」という解釈を示した。
東京高裁の山名学事務局長は「日弁連の判断は、弁護士倫理の強化の要請を無視するもので極めて遺憾。2弁護人の行動が許されないことを明確にすべきだと考えている」と、懲戒請求に踏み切る理由を述べた。
松井弁護士は「裁判所が処分を求めてきたのは、弁護活動の萎縮(いしゅく)を狙ったものだ。若い人が刑事弁護をできなくなるのではないかと心配だ。弁護士を攻撃してどうするんだと言いたい」と話した。
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