名古屋市発注の道路清掃事業の入札で、予定価格に近い金額を業者に漏らしたなどとして、競売入札妨害(偽計)罪に問われた同市の元緑政土木局長・村瀬勝美(60)、元道路部長・長崎弘(54)両被告(いずれも休職中)の判決が16日、名古屋地裁であった。
伊藤納(おさむ)裁判長は「両被告人に価格の漏えいを報告し、了承を得たとする部下らの供述は、信用性に重大な疑問がある」として、両被告に無罪を言い渡した。
検察側は、両被告が部下の元道路維持課長(有罪確定)らと共謀し、2002年11月の歩道清掃と03年4月の車道清掃の入札で、名古屋道路清掃協会の会員業者を指名業者に選定した上で、協会側に予定価格に近い金額を漏らすなどの便宜を図り、本命業者に落札させたとして、村瀬被告に懲役2年、長崎被告には懲役1年10月を求刑していた。
これに対し、両被告は「業者に価格を教えた事実はなく、部下や業者らと共謀もしていない」と無罪を主張していた。