悪質商法の規制案
特商法に基づく業務停止などの処分を受けたのは05年度で80業者だが、「背後には、その1万倍規模の悪質業者がいる」と経産省幹部。「貸金業法改正の影響で、訪問販売などに乗り換える悪質業者が増える」(消費者団体)との懸念もあり、早めの規制強化が必要と判断した。16日の産業構造審議会(経産相の諮問機関)で、法改正へ専門家らが検討を始める。
具体的には、(1)規制対象を列挙した現行の「指定商品制」の撤廃(2)信販会社によるクレジット取引の規制(3)インターネット取引でのトラブル防止(4)消費者団体が被害者に代わって問題業者を相手に訴訟を起こせる制度を特商法にも盛り込み、立証の負担を軽減——の4項目を中心に検討する。
指定商品制の撤廃で、独自の規制がある食料品や医薬品など一部を除き、全商品・サービスを規制対象にする方針。従来は、指定外の商品・サービスで被害が出る度に対象に加えていた。昨年は、高額の雪かきサービスでトラブルが増え、指定サービスの「住居の清掃」に雪かきを含める苦肉の策をとった。
クレジット取引では、呉服など高額商品で、支払い能力がないのに複数の契約をさせるなどの悪質な事例が続出。このため、信販会社を国への登録制にしたり、信用情報機関への照会を信販会社に義務づけたりする。
ネット取引では、オークションで代金を払い込んだのに商品が届かないなどの被害が多い。一定金額以上の取引で、品物の受け渡しを代金の支払いと同時にする「代金引換」を購入者が選べる制度を検討する。