2001年9月の米中枢同時テロ直後の現場に急行して救助活動に参加、有害な煙などを吸って死亡したとして英雄視されていた男性警官について、13日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、現場に急行した事実を裏付ける証拠がないと報道、実態よりかなり誇張されて伝わっていたことが分かった。
警官の美談は先月16日付のデーリー・ニューズ紙が報じて大きな反響を呼び、息子(21)はブッシュ大統領が先月行った一般教書演説の場にも招かれた。息子が同紙に誇張して話したことが発端とみられ、ニューヨーク・タイムズに対し、息子は「直後に駆け付けたかどうかは正直知らなかった」と釈明した。
警官はシーザー・ボージャさん。デーリー・ニューズは、ボージャさんがテロで崩壊した世界貿易センタービルに駆け付け、数カ月間、超過勤務シフトを続けたと報道。ボージャさんは05年に病気になり、報道から1週間後、一般教書演説当日の1月23日に肺疾患で52歳で亡くなった。
ところが、ニューヨーク・タイムズが本人の手帳などを調べると、ボージャさんが現場に行ったのはテロから3カ月以上後で、現場で働いた日数も数カ月には到底及ばなかった。(共同)
ZAKZAK 2007/02/15