小林容疑者には金融関係の仕事経験はなかった。合同捜査本部は、聴覚障害者を信用させて資金を集めるために貸金業登録をした可能性があるとみて追及している。
調べや都貸金業対策課によると、小林容疑者は一九九九年一月に「パラダイスプランニング商会」の名称で都に貸金業登録した。三年に一回、更新していたが、昨年八月に同容疑者が所在不明になったため、登録を取り消された。融資実績は七年半で二人にすぎず、営業実態はほとんどなかった。
小林容疑者は二〇〇〇年夏ごろから聴覚障害者らから資金を集めていた。勧誘時は貸金業登録証を見せて「都の関連業者で信用がある」と説明した。さらに「銀行の金利は低い。私に預ければ高い金利をもらえる」と主張したという。
同年八月ごろの銀行の普通預金金利は年0・05%ほどだったが、小林容疑者は破格の年6%の金利を約束。勧誘時には、銀行金利との利息の比較表も作って、見せていた。
一千万円を預けた都内の夫婦の場合も同年十月、小林容疑者に登録証を見せられ、「都から認可を受けてお金を預かり、高い利子を配当している。銀行の金利は低い」と誘われたという。利息の振り込みは〇五年一月に途絶えたといい、夫婦は「銀行よりも安全だと見せかけて勧誘をする手口は許せない」と憤っている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070215/eve_____sya_____000.shtml