捜査本部の調べでは、小林容疑者は99年1月、都に対し「パラダイスプランニング商会」(世田谷区池尻3丁目)という商号で、貸金業登録をした。小林容疑者は翌00年から05年までに、少なくとも約270人から計約27億円を預金や出資金名目で集めていたが、その際、登録証を出資者に見せ、都の関連会社だと偽った上で、「都知事から認可を受け、高い利子を配当する会社だ」と説明していたという。
しかし捜査本部によると、パラダイスプランニング商会は数人に万単位の金を貸しただけで、貸金業としての実態はほとんどなかった。小林容疑者自身も貸金業を営んだ経験はなく、ノウハウを持つ従業員もいなかったという。
山梨県に住む60歳代の男性被害者は05年9月、小林容疑者から直接、金を預けるよう促された。この被害者によると、小林容疑者はその際、貸金業の登録証を見せた上で「都知事の名前が書いてあり、(パラダイスプランニング商会は)信用できます」と言われたという。
この男性は妻も聴覚障害者で、2人で計1100万円を預けた。その翌日に不安になり、返金を依頼したところ、「もう無理だ」と断られた。月5万5000円のはずだった利息も、ひと月分しか支払われなかったという。
http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200702140384.html