報告書によると、06年12月17日にスタジオ収録があり、関西テレビ、下請け会社の日本テレワーク、孫請け会社「アジト」のスタッフが参加。収録後、関西テレビのチーフプロデューサーが「良い出来だね。なにか海外の賞にだそう」とねぎらったという。
これを聞いたアジトのディレクターは、賞への出品で捏造が発覚することを懸念。使用した写真に虚偽があることと、米国の大学教授の発言で日本語訳を捏造したことを、その日のうちにアジトの社長に告白した。
社長は「何とかしないとまずいよね」と答えたが、その後「直したもの」と思い込んで放置した。ディレクターも具体的な指示がないため、忙しさにかまけて放置した。この点について社長は「お互い別の仕事でバタバタしていたという中で何となく流れていっちゃったというのが事実」と話しているという。
このディレクターは、関西テレビの聞き取り調査に対し、米国の大学教授から期待した内容のインタビューがとれなかったため、「どうしようかな、やばいな」と思ったが、日本語訳のコメントを「ボイスオーバーでかけてしまえばいいや、とどこかで思っていた。最終的な編集段階ではこれで行くしかないという気持ちになっていた」と答えたという。
虚偽の写真については「差し替えるつもりでいたがどうにもならず」、過去の取材の写真を使ったとしている。
血中のホルモン量を調べるために、被験者から採血をしながら検査に出さなかったことについて、別のスタッフは「スタジオ収録の日に間に合わないということがわかって」としている。
関西テレビは報告書の中で、VTRの編集は個人作業が多く、「ディレクターが他者の目に触れることなく単独で行っており、その段階で今回の問題の多くが発生」と説明。関西テレビと日本テレワークのチェック態勢については、年末年始で「他の番組業務に忙殺され、手薄になっていた」などと書いている。